うさぎの食事

うさぎにはどんな食事がおすすめなんでしょうか。

まず、うさぎの適切な食事内容を考えるにはうさぎがどんな生き物なのかを考える必要があります。

・粗食を大量に食べるのに適した体に進化している。
草食動物全般に言えることですが、本来、うさぎさんは自然界では弱い立場なので低カロリーな草などしか食べられません。なので、粗食を大量に効率よく食べるために体は進化してきました。具体的にどんな体に進化したかというと・・・

・歯が前歯も奥歯一生伸び続ける。
よく歯が伸びるから牧草を一杯あげましょうと言われます。それは勿論間違っていないのですが、本来は逆で、草などの低カロリーなご飯しか食べられないから大量に食べる必要があり、歯を一杯使うのですり減る分、対応できるように歯が伸びているのです。

・長い消化管を持っていて食糞を行なう。
これも効率よく栄養を吸収するための体の工夫で、長い消化管で栄養を頑張って吸収し、更にその残りの成分を盲腸で盲腸便という食べられる糞に変えてお尻から出てきた物を直接食べます。

こんな感じの進化をしているので、その体に合わせた食事内容にしてあげる必要があります。

もう一つ考えないといけない事は

・余ったカルシウム成分は尿と一緒に排泄される。
これも草食動物全般に言えることですが、食べた栄養成分のうち余った分のカルシウムは尿と一緒に排出されます。人間や犬などは便と一緒に排出されるので、問題はありませんが、尿の場合だと、カルシウムがあまりに濃いと、その成分が結晶化して結石となってしまいます。そのような体の構造上、うさぎさんは結石ができやすいので、そこも考慮してあげる必要があります。


これらの事を踏まえて、どんな点に注意するべきかを考えてみましょう。

・高カロリーな物をあげすぎない。
ペレットやおやつ(麦など)を大量にあげているとうさぎさんは簡単に太ります。また、高カロリーなごはんは結局、食べる量が少なくて済んでしまうので、歯を一杯使ってもらうためにも好ましくありません。
この点から考えると、ペレットやおやつはあげすぎないように気を付けましょうという事になります。

・歯を正しく使う食べ物を沢山あげる。
歯が変に伸びてしまわないように、歯を正しく使う食べ物を沢山あげましょう。ここで「正しい」とは奥歯ですり潰すような食べ方の事です。奥歯でバリッと噛み砕くような食べ方はうさぎさんとしては本来の食べ方ではありませんし、歯も正しくすり減ってくれません。。では、どの食べ物はすり潰して、その食べ物は噛み砕くのか?それは自分が食べるイメージをしていただければ大丈夫です。もしも、自分がこれを食べるときに噛み砕くなと思ったらそれはうさぎさんも噛み砕きますし、奥歯ですり潰すなと思ったらうさぎさんもすり潰します。
具体的には、牧草や生野菜がすり潰す食べ物で、ペレットが噛み砕く食べ物です。

・食物繊維を沢山とってもらう。
うさぎさんの長い消化管を健康的に動かすには、沢山の食物繊維が不可欠です。食物繊維が足らないと胃腸の運動が悪くなり停滞気味になりやすくなってしまいます。

・水分をいっぱいとってもらう。
水分をいっぱいとるのは、二つ目的があります。一つは、胃腸停滞をおこさないため。食物繊維を豊富に取る事で、胃腸の運動は活発になりますが、それで万全な訳ではありません。たとえば毛づくろいで飲んだ毛が胃袋内で大きな毛玉になってしまったら、それはどんなに活発な胃腸でもつまってしまいます。そうさせないためには、毛であれ、ご飯であれ、お腹の中で固くしない、ふやかされた状態にしておく事が大切です。そのために水分をいっぱいとるのが大切です。
もう一つは、尿石対策です。単純な話ですが、多少カルシウムが尿の方に混ざっても尿が大量になれば、カルシウムの濃度は薄くなるので、尿結石はできにくくなります。

以上の点を踏まえたうえでうさぎさんにとって良い食生活を考えてみたところ、

当院では、食べ放題の牧草(チモシー)と生野菜、決められた量のペレットという食生活をお勧めしています。

うさぎの主食としてすっかり定着しているチモシーは、上で書いた注意点のほとんどをクリアしている優れた食べ物です。唯一の弱点は水分がほぼ無い、ということ。勿論、自由にお水を飲める環境にはなっているはずですが、乾き物のチモシーやペレットをガツガツ食べてその後水をがぶ飲みするのは体によくありません。
その水分不足という弱点を補うのが生野菜です。生野菜は、飼育書や獣医師によっては食べすぎると下痢をするとか、種類によっては食べすぎてはいけないという意見があるかと思います。下痢をする、という事に関してはよほどの子うさぎなど、特殊な状況を除けば基本的にはありません。自然界でそもそも草を食べて生きているうさぎさんが生野菜で下痢をするようでは問題です。尿は増えると思いますが、それこそが尿石対策になっています。食べすぎてはいけない野菜、というものに関しては厳密にいえば確かにあります。例えば、うさぎといえば人参というイメージがありますが、人参はうさぎさんの理想的な栄養バランスからみると高カロリーすぎますので食べすぎてはいけない野菜になります。しかし、当院では健康な子であるのならば、食べてはいけない数種類の野菜さえよけてくれれば、それ以上はあまり気にせず、野菜をたくさんあげてくださいとお話しています。沢山食べて水分を取って胃腸を動かすメリットの方が大きいと考えているからです。

はっきり言ってしまえば牧草と、野菜を食べていれば他には何もあげる必要はありません。「決められた量のペレット」というのは好きな子が多いのでおやつ代わりにというくらいの意味です。個人的にはあげる必要性を感じていません。ただし、これは普通におうちで飼われている飼いうさぎさんの場合です。ショウラビットや、繁殖させているうさぎさんはタンパク質が通常より多く必要なためペレットを多めに食べるメリットがあるそうです。

うさぎさんは、歯の病気や胃腸の病気など、食生活を気を付けることで立派な予防になりますので健康的な食生活をおくってもらいたいと思います。